廃業支援
2.廃業手続きで考えるべきこと
2-1 廃業は会社のステージの1つです
売上減少、高齢化、病気、後継者不在、新規事業へのシフト、新たな人生のスタートなど、廃業を検討する理由は様々です。家族や従業員、取引先や銀行への影響など、廃業による影響がどこまでどうなるのかわからず、一人で不安を抱え込んでしまう経営者は少なくありません。
会社も人間と同じく、生まれれば亡くなるときが来ます。廃業は特別なことではありません。いつか必ず誰かが行うべきことです。
煩雑な手続きは多少ありますが、社長が今まで頑張って守られてきた会社の最後をきちんと対応されることで、従業員や取引先が次のステップに適切に移っていくことができます。
2-2 破産(法的手続き)を選択せざるを得ない場合もあります
会社の閉じ方としては、任意の清算解散のほかに、法的手続(破産手続)もあります。
破産は非常に強力な手続きであり、反対債権者がいても強制的に手続きを進めることができる確実な方法です。場合によっては、任意の手続きよりも結果的に費用負担が軽く済む場合もあり、そのメリットは少なくありません。とはいえ、もしソフトな廃業手続きが選択できるのであれば、その方が望ましい場合が多いでしょう。
当事務所では、まずは事業譲渡(M&A)や任意の廃業手続き(清算)を第一候補として検討します。債務超過又は支払い不能状態であったり、資金ショートが間もない場合など、破産による外科的手術が最も有効と判断される場合には、率直にお伝えしてご相談します。弁護士事務所だからこそ、任意の廃業手続きも、法的な手続きも、どちらも対応が可能です。御社に合った手段を選択ご提案します。
2-3 廃業が決まっていなくてもご相談可能です
会社を続ける意欲がないけれど従業員や取引先のことを考えると廃業したいとはとても言えない、先代から継いだ事業を自分の代で潰せない…など、常日頃から悩みを抱えている経営者は少なくありません。
廃業、という言葉が少しでも頭をよぎったら、とりあえずで構いません、一度ご相談ください。ご相談の結果、廃業せずに事業継続を決定しても全く問題ありません。それはそれで嬉しいことです。 御社の状況を客観的にお聞きし、何が一番望ましいことなのかを一緒に検討させてください。きっと結論が見えてくるはずです。
2-4 廃業時のポイント
廃業時の留意点としては、まずは従業員に対する対応を検討する必要があります。従業員にいつ廃業の事実を伝えるか、どう伝えるか、どんな反応をするか、その後の残務処理はどうなるのか、気になる点は色々あります。
取引先への対応も悩みどころです。いつ伝えるか、取引をいつどうやって打ち切るか、売掛回収はどうするか、在庫や仕掛をどうするか、お得意様への対応はどうするかなど、細かい段取りを決める必要があります。
金融機関への対応、公租公課の扱い、在庫処理、担保不動産の処理などもあります。
当事務所では、各段階の実際の段取りを具体的にご相談します。また、社長が一番懸念される従業員への廃業告知のタイミングも同席しますので、安心してお任せください。
3.弁護士費用
4.実際の活用例(一部)
小売業(廃業支援)
卸小売業会社から、売上減少に伴う廃業のご相談。
亡父に代わって家業を引き継ぐも、コロナ禍の影響で売上が激減。立て直し困難のため、なるべく従業員や取引先へ迷惑をかけないように廃業したいとのこと。まずは月次収支、売掛買掛、取引先、在庫、従業員、売却予定不動産、借入金融機関等を確認し、相談の上で事業停止する日を決定。
事業停止予定日までに準備を行い、全社員に対する解雇予告通知への立ち合いをし、従業員に経緯を説明。その後も担保不動産売却のサポート、在庫引取り・処分などを支援し、最終的には残債務をすべて返済して清算し終了しました。
※当初ご相談から廃業告知日までが概ね半年、廃業告知日から手続き終結までが数カ月程度、トータル約1年で終了しました。従業員への告知については、全従業員を事務所に集め、社長からまずは廃業事実をお伝えいただき、その後を弁護士が引き継ぎ今後の説明をし、混乱なく告知をすることができました。その後の残務処理についても、従業員らの協力を得て最後まで行うことができました。
製造販売業(廃業支援)
製造販売会社から、売上げ減少に伴う廃業のご相談。
工場に出向いて状況をヒアリング。在庫処理、従業員への説明会を含む廃業までの工程をご案内し、関係者らを含め全員で協議したところ、子が事業を引き継ぐ決断をされ、廃業せずに終了しました。
小売業(廃業支援)
革小物等の販売会社から、資金繰りが厳しいため廃業を検討しているとのご相談。
既に任意の廃業は困難な状況となっていたことから、法的手続(破産手続)の選択を決定。社長も金融機関からの融資の連帯保証人になっていることから、会社と社長と同時破産申立てをすることに決定。
次の支払日が迫っていたため、速やかに弁護士から受任通知を送り各支払いをストップし、在庫を一部処分して破産申立てのための資金作りを開始。申立て費用ができたところで破産申立てをし、混乱なく管財人に引き継ぎました。