【離婚】離婚調停成立時に本人欠席で成立できるか?

夫婦関係調整調停離婚調停)について,代理人弁護士がついている場合,代理人のみが出頭し,
本人が欠席したまま離婚調停を成立させられるでしょうか?
 
  これについては,ちょっと古いですが昭和39年8月20日の熊本家裁山鹿支部での審判例があります。
 
  同事件では,夫から妻への離婚調停を申し立てたところ,妻側も離婚の意思があるものの,遠隔地に居住している夫は怪我で療養中等のため裁判所に出頭できない状態であるとして,調停成立のため代理許可申請をしたという事案です(なお,子があり付随処分として親権者の指定あり)。
 
  裁判所は,身分行為が当事者にとって重要であるのみならず他人にも影響を及ぼすものであり,本人に慎重に考慮させる必要があるところ,特に離婚は重要な形成的身分行為であるため代理行為に馴染まず,調停成立には必ず本人の出頭を要するとしました。
(そして,調停としては離婚成立はできないが,旧家事審判法24条1項(調停に代わる審判。現家事事件手続法284条)による離婚審判を出しています)
 
  離婚が身分行為のうちでも特に重要であり,本人に慎重に考慮させるべきであるということ自体は何の異論もありませんが,どうしても出頭できない場合もあると思いますので,個人的には,代理人弁護士がついている場合には,形式的に出頭するか否かにこだわらず,実質的に本人の意思確認をきちんとし,相手方も異論がない場合には趣旨を没却するわけではないので,調停を成立させてもよい気はします。
 
  まあ,その場合には裁判所が職権で調停に代わる審判ができるから良いでしょう,ということなのでしょうが,当事者に申立権がないので絶対ではありませんね。
  調停に代わる審判を出してくれないような事案で調停成立ができないのであれば,それは訴訟で決着すべきということになります。
 
 
  

秋