【遺言】各遺言のメリット・デメリット

  来週月曜(4月15日)は,「(良い)遺言の日」ということで,各地で記念イベントが開かれます。東京でも弁護士会館で記念講演や面談相談会等が開かれます。

 

  ちなみに,第二東京弁護士会高齢者委員会(ゆとり~な)が主催しています,巣鴨のとげぬき地蔵尊(高岩寺)でも,毎年11月15日付近は「いい遺言の日」として,遺言に関する無料セミナーを開いています。ご高齢者の方を対象として,毎月第3火曜日の午後1時から午後4時まで,弁護士による無料法律相談も行っていますのでそちらもどうぞ・・と宣伝してみたり。
(詳しくはこちら http://niben.jp/info/event201300416.html

 

  ちょっと脱線しましたが,今回は遺言についてです。

 遺言は故人の最後の願いと想いを記載した大事なものですが,作り方はいくつか種類があります。そして,種類によってそのメリット・デメリットも異なってきます。


  今回は,一般的に多く利用されている
1)自筆証書遺言
2)公正証書遺言

の2つの違いについてご紹介したいと思います。


1)自筆証書遺言について

  自筆証書遺言とは,遺言者がその全文,氏名,日付を自分で書き,押印して作る遺言です。

  メリットとしては,

 (1) 費用がかからない(自分で書けばよい)
 (2) いつでもどこでも自分ひとりで作成できる手軽さ
 (3) 遺言書に封をすれば内容を秘密にできる

  ということが挙げられます。
やはり手軽に作成できるのが良いですね。遺言を書き直したい,と思った場合でも,すぐに作り直しができますので簡単です(日付が後の遺言が有効となります)。

  逆にデメリットとしては,

 (1) 要式が厳格なため,せっかく作成しても無効な遺言になりやすい
 (2) 遺言者が亡くなったあと遺言書が発見されなかったり,発見されたとしても一部の相続人が隠してしまったり改ざんされるおそれがある
 (3) 内容があいまいだと法律上疑義が生ずるおそれがある
 (4) 家庭裁判所の検認手続が必要である
 (5) 視覚障害者には使いづらい

  ということがあります。
  特に弁護士に相談せず一人で作成する遺言については,(1)(3)のデメリットが生じやすくなります。また,(4)については,推定相続人の戸籍謄本を全て集めて,裁判所に検認手続を申し立てて,検認手続を行って,やっと検認調書をもらう,ということになりますが,結構時間がかかります。自筆証書遺言を使って遺産である預貯金を払い戻す場合は,多くは検認調書が必要となりますので,検認が済むまで払い戻しができないという不便が生じます。
  (4)(5)についてはどうしようもない部分もありますが,(1)(3)のデメリットについては,作成時に弁護士に相談されれば解消できます。また,(2)についても,相談した弁護士に保管してもらい,定期的に連絡をもらうようにすればこれもクリアできます。弁護士に遺言執行者になってもらえば,より一層安心です。


2)公正証書遺言について

  他方,公正証書遺言とは,遺言者が遺言の趣旨を公証人に口述し,公証人がこれを筆記し,公正証書による遺言書を作成する方式の遺言です。

  メリットとしては,

 (1) 公証人という法律の専門家が関与しますので,方式や内容の不備による無効を回避できる
 (2) 遺言書が公証役場に保管されるので,改ざんのおそれがなく,また,遺言者の死後検索も簡単
 (3) 自書が不要なので,視覚障害者や自書ができない方も作成可能
 (4) 家庭裁判所の検認手続が不要

  ということが挙げられます。ちょうど自筆証書遺言の裏返しですね。

デメリットとしては,

 (1) 遺言書作成に若干費用がかかる
 (2) 公証人の関与,証人2名の立会が必要など手続が厳格であり,自筆証書遺言よりも気軽に作ることができない

ということがあります。(1)の費用については,遺産の額によって変わりますが,遺産が数千万円程度であれば,作成費用は数万円といったところでしょうか(詳しくは日本公証人連合会のページをご参照ください。http://www.koshonin.gr.jp/index2.html)。


   いずれも一長一短ですが,せっかく作った遺言が無効にならないよう,一度は弁護士に相談されることをお勧めしています。